事例の概要
業種 | 製造業(自動車メーカー) |
企業規模 | 東証プライム上場、従業員数 33,000名 |
対象業務 | 世界各国から収集した自社製品に関する文書の選別 |
内製化の担当部門 | 法務関連部門 |
お客さまの課題
- 製品の認証を取得するために、自社製品に関連する文書を世界各国のWebサイトから広く収集しているが、数多く収集する文書のうちどれが有用かの選別に非常に多くの工数を割いている
- 文書を選別するAIモデルを開発したものの期待通りの精度が出ていない。さらにAIモデルの精度低下の改善も難しい
- 業務にAIモデルの利用を組み込めないままで、人の判断による選別作業の削減ができていない
ご支援内容
本支援では、Amazon EC2で基盤構築、Amazon SageMakerでAIモデル検証、Amazon EFSで作成したモデルの管理を行っています。
自社でAI文書判定システムの開発と運用ができるよう、MLOps環境をAWSで構築し、MLOps運用のスキルトランスファーを実践を通じてご支援しました。さらに、業務側からフィードバックを得て、次の目標に進めて行くための仕組みづくりもご支援しました。
- STEP1:内製化推進プロジェクトの立ち上げ
- プロジェクトの開始時に、お客さまのビジネス上のゴールを社内関係者とともに把握・整理しました
- これにより、業務側と分析側が共通の理解を深めながらプロジェクトを推進する体制を整えました
- STEP2:自社のシステム環境に応じたMLOpsの実装
- お客さまでも導入実績のあるAWSを用いて、AIモデルの訓練と評価に必要なGPU環境を構築しました
- 運用の内製化で発生する作業負担を軽減するために、何度も繰り返し行う訓練の管理を円滑にするため、EC2とEFSを組み合わせて、データ、モデル、評価結果を対応させて管理できるようにしました
- STEP3:AIモデルのシステムへの実装
- 現行システムにAIモデルを組み込むために、スケーラビリティとセキュリティを考慮した最適なAIシステムをご提案し、構築しました
- AWSに用意されたエンタープライズ向けのサービス活用することで安定したシステムを実装しました
- STEP4:MLOps運用のスキルトランスファー
- AIモデルの改善をデータサイエンティストが伴走型でご支援しました
- 実践を通じて、構築したお客さまのMLOpsの環境をどう使うかをスキルトランスファーしました
- STEP5:組織内でMLOpsのライフサイクルが回る内製化のご支援
- 業務側フィードバックを得て、次の目標に進めて行くための仕組みづくりとして、業務側がフィードバックしやすい設計を支援しました
効果
- お客さま自身によるMLOps運用の実現
- AIモデルの精度確認および必要に応じて再学習ができる運用の内製化環境を構築し、運用できるようになった
- AIモデルの精度向上
- 業務ヒアリングによる現状課題の把握や目的の明確化(精度低下の原因、分類判定の方向性、分類精度目標)ができた
- AWSを用いたデータ分析により、短期間で現状のAIモデルを超える高精度なAIモデルの作成ができた
- 業務への貢献
- 収集した文書の選別に必要な工数を1/2に削減できた